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万葉館

こんにちは、すがやです。

先日はやましたさんが紫式部公園をご紹介していましたが、
福井は本当に日本の歴史に関わる場所が多いところ。
今日ご紹介するのは、武生市の『万葉館』もそのひとつで、
その名の通り奈良時代に歌われた「万葉集」に関係しているものです。

万葉館のある武生市・味真野という地域は、
歴史が古く継体天皇の伝説をはじめ、
様々な伝説や史実が伝えられているそうです。
特に万葉集に歌を収めている歴史的人物と関わりが深く、
これらにちなんで整備されたのが「越前の里味真野苑」です。
苑内には四季折々の万葉にゆかりのある花や植物が植えられ、
ところどころに歌碑が立てられており、万葉館もこの中にあります。

さて前置きが長くなりましたが、この万葉館は
万葉の人々の悲恋や友情を紹介するものなのですが、
最近リニューアルされたということで、なんともハイテクな場所なのです!

館内に入ると説明担当のおじさんが迎えてくれました。
「いやー今日はね、お休みだから団体さんが多くて、
説明しすぎで喉がかすれてますよ〜、
でもね、頑張って説明しますからぜひ聞いて下さい!」
となんともフレンドリーな口調です。
私たち一行は4人だけだったのですが、
入口は行ってすぐの大きなパネルの前で
はりきっておじさんは語り始めました。


一日、しゃべり続けてきたとは思えないほどお元気でした、、。

この館は1200年あまり昔、奈良の都から味真野に流された、
中臣宅守(なかとみのやかもり)と
都に残された妻・狭野弟上娘子(さぬのおとがみのおとめ)との
悲しいドラマが秘められているそうです。
その昔、朝廷に仕える女官だった狭野弟上娘子と恋に落ち、
中臣宅守はその罪をとがめられ越前・味真野に送られたとのこと。


中臣宅守(右)と狭野弟上娘子(左)との
悲しい恋愛を歌で紹介しているそうです。

「つまりだね、奈良時代や平安時代は、宮廷に仕える女性というものは、
全員が天皇意外、他の男性とは恋愛してはいけないということで、
もちろん男のほうも宮廷に使える女性には手を出しちゃいけないってことだよ。」
分かりやすいご説明をありがとうございます。
そうですよね、テレビの大奥を見ていても、
仕える女性は全員独身だし、まあ、今では考えられないような罪を
咎められたということなんですね。

「でね、味真野の中臣宅守と、都で彼を思う狭野弟上娘子は
お互いを思い合い、たくさんの歌を歌って贈り合った。
この二人の間で詠まれた情熱的な歌は万葉集に63首も残されているんですよ。」
へぇー、今と違って携帯電話もなければ、メールもないわけですから、
思いを歌に込め、紙にしたためていたんですね。
それも今のようにすぐに伝わったり、届いたりということではないだろうし、
遠距離恋愛も大変です。


さらにおじさんの説明には熱が入ります!

「しかしだね、歌は63首残されているんだけれど、
中臣宅守から狭野弟上娘子に送った歌は40首、
狭野弟上娘子から中臣宅守へ送った歌は23首と
結構数に差があるんだよね〜。
まあなんて言うか、いつの時代も女性が強くて、男が女々しいのかね、ははは」
…なるほど。皆さんはどう思われますか?

さて、おじさんのお話を後に館内を進むと
万葉集の秀歌や万葉の詩人と恋の歌などが
パネルや人形などと(ボタンを押すと動いて歌が読まれます)があり、
とても視覚的で、動きと立体性のある展示方式です。


青白い光とともに浮かび上がる二人の63首の歌。こんな状況を
1000年以上前の二人は想像もできなかったでしょうね…。

動く狭野弟上娘子です。

最後のクライマックスは、二人の贈答歌を
時の流れとともに紹介した展示です。
スクリーンがあり、ジョイスティック?のような
ボタンを押していくと、出会いから別れ、
さらに越前に宅守が流されてからの状況を詳しく説明。
スクリーン上には二人のシルエット画像が登場し、
左右に配されたそれぞれの人形が、
男性と女性の声で悲しい歌を読み上げます。


こういった演出があるので、飽きることなく
興味深く見て周ることができました。

最後に二人の代表的な歌をご紹介します。

<中臣宅守>
あかねさす
昼は物思(ものも)ひぬば玉の夜は
すがらに音(ね)のみし泣かゆ
【通釈】昼は物を思い、夜は夜じゅう声をあげて泣いてばかりいます。

<狭野弟上娘子>
君が行く
道の長手を繰りたたね
焼き滅ぼさむ天(あめ)の火もがも
【通釈】あなたが行く長い道のりを、くるくると手繰り寄せるようにして、
焼き尽くしてくれる天の火がほしい。
そうすれば、あなたは都に留まるしかないだろうから。

うーん、やはり男性のほうがめそめそしていて、
女性のほうが激しいのでしょうかね…?
ちなみに二人がその後どうなったか資料がないようですが、
まあきっと再会したことでしょう!


万葉館 越前の里味真野苑資料館 
福井県越前市余川町55-1
交通:JR北陸本線武生駅から車で20分、北陸自動車道武生インターから車で10分
   JR武生駅前バス亭から福井鉄道池田線で25分・味真野神社口前下車
開館:9:00〜16:30、月曜・祝日の翌日・年末年始休み
入館料:無料


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